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東北大学加齢医学研究所 心臓病電子医学分野
東北大学大学院医工学研究科人工臓器医工学講座/ 医学系研究科内科学専攻心臓病電子医学
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Russia Health Care 2007

ロシアヘルスケア2007 第17回国際展示会サテライトシンポジウム

ー 動脈スティッフネス定量診断標準化のための日露国際ミーティング ー

 2007年、12月3日、モスクワ国際展示場を借り切って盛大に開催されたロシアヘルスケア2007のイベントにおける第17回国際展示会のクローズドのサテライトシンポジウムとして、日露協同で、動脈スティッフネス診断の国際標準化を目指したシンポジウムが開催された。


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 国境をまたいで、東北大学、モスクワ州医学アカデミー、モスクワ心臓研究センター、ペンザ大学、スモレンスク州医学アカデミー、日ソ貿易とフクダ電子などの協同で、グローバルスタンダードの診断基準を目指した会議が開催されたことは意義深いと考えられる。

 その理由は、グローバルスタンダードの名の本に、得てしてアメリカ基準を押し付けられることが多い我が国において、欧州各国と連携して動脈スティッフネスの新しいスタンダードを提案していく意義は大きいと思われるからである。

 興味深いことにソビエト連邦崩壊の後のロシアは、資本主義導入によるハイパーインフレによる経済破綻で国民生活が大変な影響を受けたなどもあり、特にアメリカンスタンダードに対して信用してしないところがある。そのために、独自の基準を探る動きの息吹が感じられる点で、EUとの関連が興味深い。時期的に選挙直後でもあり、国家の方向性を探る勢いも感じられた。

 まず、stiffness parameterβの理論式に基づいた血圧に依存しない新しい動脈スティッフ計測の方法論の開発過程や、解析アルゴリズムの詳細についてフクダ電子の高橋部長より概説の講演があり、近年の日本におけるCardio Ankle Vascular Index(CAVI)の多彩な臨床研究の趨勢についても紹介された。    モスクワ科学アカデミーからはstiffness parameter βの計算式におけるPの存在の意義について数理理論解析的なディスカッションがあり、国際標準化並びにロシアにおける許認可のための、EU基準を満たすために、日本以外の諸国、特に欧米の臨床データの必要性について指摘があった。また、スモレンスク州医学アカデミーからの質問では、丁寧なデータ集積と、kCAVIの有効性を強調していたのが印象的である。 

 日本で開発された機器は、それがいくら優れたものであっても、医療に応用する機器である限りは、日本人のデータだけでは世界に相手にされない側面があることは否定できない。掛かる観点からも国際共同研究は貴重であり、海外の症例データの蓄積が急務であることは改めて確認されたものと思われる。     先進国中で最も心血管イベントの発生が多いのはロシアであり、問題の深刻さが伺える。平均寿命の推移を見ても、心血管イベントの増加により、ロシア人男性における国民の寿命の低下が著明であり、男性の平均寿命は60歳以下にまで落ち込んでいる。日本ではまだ定年にも達しない年齢で死亡することになり、国家経済の上でも重要な問題であることはもちろんである。    更にCAVIの臨床的信頼性について確認するために心臓移植の前後でbaPWVとCAVIの比較検討を行った結果の報告があった。中国北京首都大学附属安貞病院と東北大の共同研究によるデータであるが、心臓移植の直後は、体外循環や循環血液量の変動もあり、本来は大きな変動があって当たり前ではあるが、心臓は取り替えられても、動脈はそのままである心臓移植前後でCAVIが安定していたことは、CAVI計測の安定性の究極の証明とも思える興味深いデータであると言える。  また国際的視点から見た日本人とロシア人の動脈硬化の加齢変化についての研究報告が行われ、質疑応答があり、日本人のメタボリックシンドロームの基準についての議論もなされた    モスクワ科学アカデミー心臓研究センターの先進診断法開発部のロゴザ教授からは、欧州の高血圧診療ガイドラインを基に、国際基準のグローバルスタンダードを目指した概説が行われ、また、頚動脈を用いた従来法による脈波伝播速度(PWV)計測の新しい展開や、Vasera1000を用いて、両腕に四箇所マンシェットを装着しての興味深い血管内皮の計測アプローチの紹介などが行われ、話題を呼んだ。  欧米における高血圧診療ガイドラインと併せ、頚動脈を用いた大動脈PWVには長年の知見の蓄積があり、これに対抗して欧州における診断指針スタンダード、産業化を目指すには、日本の臨床データだけでなく、欧州諸国での臨床データ蓄積も必要であることが繰り返し強調されたことは印象的である。    スモレンスク州医学アカデミーは海外で最初のCAVIの計測概念の導入が行われた施設であり、既に2500例を超える臨床例の蓄積が進んでいる。副学長のミラーゲン教授からスモレンスクにおける超音波、PWVも含めた各種動脈硬化パラメータの臨床試験の現況を概説する講演がなされた。特に膝裏における動脈計測を加えたkCAVIの有用性が強調される新しい知見が報告された。特に下腿動脈とkCAVIの相関の解析は興味深い。  また、豊富な症例を生かして、小児科領域の高血圧測定を進めており、若年高血圧では、血管男性は正常範囲であり、中心血圧測定の重要性を強調した。  モスクワの近郊にあるペンザ市のペンザ大学医学部では、既に三台のCAVI測定装置が導入されており、ロシアの臨床データ蓄積が急激に進んでいる。    国立ペンザ大学医学部のオレイニコフ教授から、メタボリックシンドロームにおけるCAVI計測の重要性が指摘された外、高血圧治療におけるカルシウム拮抗薬とACE阻害薬との比較検討なども進んでおり、薬剤加療フォローアップにおけるCAVI計測の有効性も指摘された。また患者指導における「血管年齢」の概念の有効性が改めて指摘され、会場における共感と微笑を誘った。  ウクライナのキエフからは、新しい多チャンネル心電計の概念導入の紹介も行われた。    更に開発サイドも交えての、血管物理特性に関する数理ディスカッションが行われた他、個別の大学間での国際共同研究に関する討論や、開発者と臨床使用者の鼎談も行われ、臨床研究の展開が期待された。 更に、保険診療としてロシアに導入するためにまずEU基準を目指す必要があり、そのための欧米各国の臨床データ蓄積の必要性も示唆され、新しいグローバルスタンダードを目指した展開が望まれる。

 翌日から、広大なモスクワ展示場を借り切って行われたロシアヘルスケア2007に参加。


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 第17回国際展示会では、CAVIのブースが設けられ、スモレンスク州立医学アカデミーの全面的バックアップによるデモンストレーションも試みられた。


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