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東北大学加齢医学研究所 心臓病電子医学分野
東北大学大学院医工学研究科人工臓器医工学講座/ 医学系研究科内科学専攻心臓病電子医学
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電磁駆動型人工心臓

完全埋め込み型人工心臓の現状

東北大学加齢医学研究所助教授 山家智之


電磁駆動型全人工心臓アビオコアの臨床応用が新聞雑誌のニュース欄を賑わせた事は記憶に新しい。これまでに米国では5つの施設が、埋込型全人工心臓の臨床を目指して競い合って来たが、最終的にはペンシルバニアとアビオコアの2つのシステムが臨床前段階に入っていた。衆目の一致するところ、先に臨床応用されるのは388日の世界最長動物実験生存記録を持つペンシルバニアの人工心臓であろうと予測されていたが、何時の間にかペンシルバニアのシステムはアビオコアの傘下に入り、僅か数ヶ月の動物生存実験記録しか持たないアビオコアのほうが先に臨床に供されたのには世界の人工心臓研究者は驚愕した.アビオコアのシステムは、その左右バランスの取り方に設計の特色があり、耐久性の限界もそこに依存すると危惧されているが、現在の臨床ではまず60日間の生存が当初の目的とされている。米国の開発計画では最初から平均的米国人の体格である   85Kg前後の胸郭に埋め込み可能な人工心臓が開発目標とされており、開発されたアビオコアも当然、日本人には大きすぎることはその計画段階から指摘されてきた。本邦では国立循環器病センター並びに東京大学において、日本人のための電磁駆動型全人工心臓の開発が進められているが、現在まだ慢性耐久性試験の段階には届いていない。

循環を維持するためには何も心臓全体を取り替える必要性はなく、循環を補助する意味から補助人工心臓の臨床応用は広く進められている。現在、拍動式の埋込型補助心臓としてはノバコールとハートメイトの二つのシステムが本邦で治験の段階にあり、これにライオンハートやカナダのハートセイバー等が続く趨勢になっている。これらの埋め込み型補助人工心臓は、拍動のための心室の他に駆動機構が必要になるので、本邦で商品化された日本ゼオンや東洋紡の空気圧駆動型システムと比較すると体格が大きな患者でなければ埋め込みが難しい。具体的には70kgを超えないと、埋め込みは現実的でないというのが治験施設における暗黙の共通認識になりつつある。

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そこで発想の転換を計って、拍動型という概念に拘らない人工心臓も開発されている。元々、心臓を血液ポンプとして考えれば、埋め込み型で高効率のシステムの具体化が計れるのは、遠心ポンプや軸流ポンプなどの連続流ポンプである。現在世界中で様々な種類の無拍動型人工心臓が開発されているが、マイクロメド・ドベイキーポンプや、ハートメイト2、ジャービック2000等、スクリューを内蔵した軸流ポンプがいち早く欧州等で既に臨床応用が開始されている。軸流ポンプは軸受け構造などにおける耐久性の面で遠心ポンプより不利になる面もあり、一時は「三ヶ月ポンプ」と言われていた時期もあるが、予測より良好な臨床成績を収めていると伝えられている。日本では慶応・北海道大学で開発されたバルボポンプが本邦の軸流ポンプとして一歩先んじており、東北大学で行われた動物実験では十分な左心補助効果が確認された。

耐久性に優れた連続流ポンプとしては、遠心ポンプが本命であり、欧米でもウイーン大学やベイラー大学等のシステムの他、拍動流ポンプも持つTCIからもハートメイト3等が、臨床を目指して開発が続けられているし、本邦でも、京大で開発されたテルモ社の磁気浮上ポンプは耐久性に優れており、欧州での臨床治験で軸流ポンプを追撃する体制を整えつつある。ベンチャー企業であるサンメディカルの遠心ポンプも有望であり、日本におけるベンチャー企業の新地平を切り開いている。

概して言えば、日本の埋込型人工心臓は開発力や基礎研究では圧倒的に優れているが、臨床治験や商品化の面ではまだまだである。許認可のシステムだけでなく日本人の国民性まで含んだ広範な議論が必要と思われる。

Last modified:2006/04/09 17:47:59
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