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 ちょうど[[第48回の日本人工臓器学会の開催中|http://www.idac.tohoku.ac.jp/jsao2010/]]であった11月19日に、日本で開発された遠心式補助人工心臓、サンメディカルのエバハートと、テルモのデュラハートの製造認可が下りたと言う嬉しいニュースが飛び込んでまいりました。保険収載も予定されているようです。

 48年間にわたる日本人工臓器学会の歴史の上では、「史上最大の業績」であるとも言えると思いますし、足掛け20年にわたる莫大な先行投資が必要だったにも関わらず、果敢にリスクに立ち向かった両社の企業努力には、実に頭が下がる思いです。両者の長年の努力の結果、11月19日に行われた厚生労働省 薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会にて正式に承認されました。
まことに、おめでとうございます。

 エバハートとデュラハートの製造許可申請にあたりましては、日本人工臓器学会でも全力で申請に協力し、循環器学会や、胸部外科学会、心臓血管外科学会などと共同して、人工臓器の理事会としても一丸となって努力を重ねてまいりました。人工臓器に限ってみれば、日本人工臓器学会ほど、人工臓器に詳しい人たちの集団はありません。あまり知られていませんが、日本人工臓器学会は、例えば欧州人工臓器学会と比べると、ほぼ10倍の会員数を誇る世界最大の人工臓器の学術集団です。この知見を生かさない手はありません。そこで例えば人工心臓では、どのような基本性能が求められ、どのようなモデル循環における性能を検査するべきか? 耐久性はどうあるべきか? 抗血栓性はどの基準で検査するべきか? どの段階で動物実験への移行が認められるか? どのような性能を満たせば、どの段階で臨床応用が学術的倫理的に認められるのか? 臨床試験でどのような成績を収めれば市販が認められるのか? その全てについて、48年間にわたり、日本人工臓器学会は学術的に研究して参りました。そして、これらの学術的な基準を政府にも提言をして来た訳です。

 ちなみにあまり知られていませんが、日本は心臓移植でも、補助人工心臓の臨床試験でも、世界一の成績を誇っています。多くには大学の心臓外科の若手の先生方が、一生懸命に術後管理するからでもありますし、人工心臓の基本性能が、やはりモノ作り大国に日本では、優れていると言う側面が上げられます。ただし、移植では法案が通ってもあまり症例数が多くないので目立ちませんし、埋め込み型の補助人工心臓では治療試験段階では数十例にすぎなかったから全症例の厳密なフォローが可能であったからと言う側面もあります。例えば、人工心臓の血栓から脳卒中のリスクを考えても、アメリカではCT検査の医療費が高すぎて検査が出来ません。日本では、圧倒的なまでに安い医療費ですぐ検査が出来ると言う有利な面があります。

 今回の製造認可は、日本の学会全体が一丸となって努力したかなり珍しい例に属すると思われます。

 医学系の学会は何のためにあるのか?

 もちろん、患者さんのためです。
専門医などの認定制度や、医者の名誉のためにあるわけじゃありません。

 日本では、医療機器の申請から認可までが、世界で一番時間がかかり、遅すぎると言うことには定評がありました。これについては厚生労働省だけの問題ではなく、世界一優秀な日本の医療保険システムを(なんだかんだいって、日本人の平均寿命は独立した国家の観点で見れば世界一です)、整合性を持って運営するための全体のシステム設計の問題でもあります。医療崩壊が叫ばれる中、新しい医療機器が医療経済を圧迫すれば、地方の医療財政の方へ回る予算が削られる側面も避けなくてはなりません。

 ただし、日本では、世界の中で、ただ一国。
 埋め込み型補助人工心臓が保険で認められず、実質的に患者に使えない状況が続いていました。末期的な心不全には、人工心臓と心臓移植しか救命の手段はなく、移植はドナーが少ないのは世界的に共通した傾向です。

 つまり、日本だけが埋め込み型補助心臓を使えないので、日本に生まれたばっかりに、他の国では助かるのに死ななければならない患者さんが出てきてしまうと言うことです。

 この問題を解決するのは、人工臓器学会にとって、最優先事項でした。

 そこで、許元理事長、福井前理事長、富永現理事長の元、人工臓器学会の理事全体が他の医学会とも連携を取り、一丸となって企業からの申請への協力、請願書の署名集め、医学的アドバイスの追加、国との折衝などを通じて、製造認可へ向けた努力を行い、今回の快挙に直結しました。実は医者と言うのは、互いに連携するのは実に苦手な人種なので、これはかなり珍しい部類の快挙にあたります。

 やれば出来るじゃないか日本!
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 東北大学とサンメディカル社は、改良型エバハートの慢性動物実験を進めています。
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 動物実験では体外循環を使用しなくても、オンビートで左心室の心尖部からパンチャーを使ってインフローカニューレを挿入可能であり、下行大動脈に、ゴアテックス製のアウトフローグラフトがポリプロピレン糸を使って、パーシャルクランプで端側吻合されます。手術中、及び術後1病日に不整脈が観測されましたが治療に反応して洞調律に復帰し、現在は、覚醒状態で元気に実験を進めています。
ついつい私たち医学研究者は、最新の技術で最良の、ある意味ではかなりオーバースペックの医療機器開発を研究開発してしまいますが、企業化・産業化の現場では様々な条件の限定条件の下での商品開発を進めなくてはならず、製品化に結びつかなければ、結局は患者さんを助けることができません。
そこで、様々なスペックの医療機器を使って解析を進め、製品としても最善の部類に入る機器開発が必須となります。
待機的にサクリファイした後、病理学的な検索や製品解析を進める予定になっています。
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