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東北大学加齢医学研究所 心臓病電子医学分野
東北大学大学院医工学研究科人工臓器医工学講座/ 医学系研究科内科学専攻心臓病電子医学
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最終的に人工心臓の溶血の安全限界を決める評価指標とは何か?

 人工臓器の血液適合性は古くて新しい問題であり、歴史的に開発がはじまった当初から、様々な開発の試み、評価パラメータの提案、安全性能試験の方法論の展開、科学としてのレギュラトリーサイエンスへの新展開等が試みられて来た。

 そして、どんなに医学、工学、医工学、科学が進展してもこの問題は絶対に収束しない。

 なぜならば、そこに、最終的に「患者さん」の存在が、評価関数として存在するからである。 

 体外循環、人工心臓、人工腎臓、および人工肝臓等の人工臓器開発に当たっては、歴史的な開発の、こと初めから、生体適合性、血栓、そして溶血の問題が存在してきたが、手術で使う体外循環、あるいは、透析としての人工腎臓であれば、テンポラリーな使用時間なので、医学的な基準も定めやすく、行政的に認められる制度基準を応用することはある程度先が見通せる科学となるので、レギュラトリーサイエンスの存在が見えることになる。 atrModel.jpg  

 そこで、動物実験やモデル循環を使って、あるところで基準作りすることも可能になり、人工心臓循環中の血球破壊を測定したり、遊離ヘモグロビンを計測したり、Normalized Index of Hemolysis (NIH)による溶血の基準を定めることも出来るので、これを応用してモデル循環やシミュレーションから溶血のパラメータを推定して設計に役立てることも出来る。(NIHは、ポンピングされた単位体積血液当たりの血漿遊離ヘモグロビンのグラムを加えた測定値でありhematrocritを用いてプラズマ量、規格化流量、及び循環時間について補正されている。)

 しかしながら、埋め込み型補助人工心臓のデスティネーションセラピーの登場とともに概要が様変わりする可能性がある。 

 ブリッジユースでは、人工心臓の溶血性能がどうあろうと、最終的な患者さんの出口は心臓移植になる。しかしながらデスティネーションでは、人工心臓本体が患者さんの最終的な生命維持手段となるので、血栓形成も溶血性能も、患者さんがお亡くなりになるまでのすべての要因は人工心臓の性能と最終的に臨床的なすべてのデータがリンクして行くことになる。 

 エビデンスに基づいた医療では、ダブルブラインドテストのサーベイが、エビデンスレベルの高い臨床データとして最終的な臨床ガイドラインを決定することになる。テンポラリーな体外循環、透析や、血液浄化では、透析間隔や社会医学要因等、社会経済学的な人工臓器の要素技術以外も大きく臨床データに直結するが、デスティネーションの人工心臓では、常に人工心臓が動いているので、患者さんどの臨床データも、人工心臓の要素と関連づけられる可能性があり、何らかの事象が発生すると、常に行政からの連絡の対象となる可能性がある。今後、患者さんのデータが蓄積すればするほど、臨床データのあらゆるパラメータと、人工心臓の基本性能、血栓形成、溶血特性、ありとあらゆるパラメータの関連が明らかになることとなり、多変量解析の方法論によるサーベイが必要となって行くことになる。

 従って、デスティネーションの人工臓器では、患者さんのデータが伴うかぎり、命あるかぎり永遠にこの問題は解決しない。学会レベルで適切なガイドを行い、過度な規制が働かないように監視して行く必要がある。

 日本人工臓器学会では、埋め込み式の補助人工心臓に関しては、全症例がJMACSに登録され、国際的なデータベースINTERMACSとリンクされ、完璧なフォローが具現化する計画になっている。世界でも随一、最善にして最良の日本人の人工心臓臨床データベースが、具現化する期待が高まっている。日本発のデータにより、世界の臨床ガイドラインが決まる日も近いかもしれない RIMG0462.jpg

Last modified:2012/07/03 18:02:31
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