弱った心臓の筋肉(心筋)の働きを補う超小型の人工心筋を、東北大加齢医学研究所の山家智之助教授らのグループが14日までに開発した。形状記憶合金を利用して心臓の収縮を助ける仕組みで、今後はヤギを使った実験を繰り返し、心臓病患者への実用化を目指す。
人工心筋は長さ約8センチ、幅約1センチ、重さ約20グラムの合金の板で、心臓に張り付ける。合金には冷却機能がある半導体素子が取り付けられ、冷やせば変形する。これが体温で暖められれば元に戻ることを利用し、冷却を繰り返すことで心臓の収縮を連続的に助ける。
冷却するための電気は、体外の電源から電磁波で供給する。
心機能を補助する方法としては、ポンプで血液を送る補助人工心臓や、埋め込み式の人工心臓が使われているが、これらに比べはるかに小型で軽量のため患者の負担が小さく、取り付けも内視鏡手術で済むという。
山家助教授は「実用化することで心機能の弱った患者の快適な生活に大きく貢献できる」と話している。〔共同〕
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