岐阜大学医学部チュトーリアルシステムを見学して参りました。


決して立派な建物では在りませんが、パーキンソンの法則を持ち出すまでもなく、そのような場所でこそ最先端の現場が生まれるのでしょうか?

何より嬉しそうに集まってくる学生さん。

私も東北大の教官として奉職して十年になりますが、私たちの研究室へ向かう学生さんがあんなに嬉々として集まってきていたのか?

 教育の原点を思い知らされたようなような気がします。

 ヨーロッパ型の大学の組織の原型は、学生さんが組合を作って教官を雇い、大学を形成したのがそもそもだと聞いたことがあります。

いつしか、細分化され、専門化し、専門家でなければ理解できないような狭い分野でしのぎを削り、巨大な予算の獲得に一喜一憂し・・・現在の大学医学部の教官で「教育」と言う問題が頭の片隅にでも残っているのは、何パーセントいるのでしょうか?

 大学は、学生が教えて欲しいと思うことが原点であり、それまでは教官は学生の成長を見守っているべきなのかもしれません。

 岐阜大学医学部のチュトーリアル・システムには、「大学」という存在の原点が存在しているのかも知れません。

 更に感銘を受けたのは、岐阜大学医学部における教授の先生方と学生さんの和気藹々とした雰囲気です。教授の先生方同士がお話しされているのを見ても和やかな雰囲気が伝わって参りました。@ウ授の先生方同士がお話しされているのを見ても和やかな雰囲気が伝わって参りました。

 試験の秀才が集った巨大医局における世知辛い雰囲気や、巨大組織としての大学病院における医局の間の縄張り争いとくれば、大学における組織作りは、むしろギスギスしてくる方が現在ではコモンかもしれません。

 アメリカ型競争社会に日本の医療組織を結び付けようとすれば不可避的に訪れるとさえ言い得るかもしれない状況をどのようにクリアしてきたのか?

 決して多くない教官の人数を裂いて日本型のチュトーリアルシステムを独創した岐阜大学医学部には感嘆を禁じ得ないだけでなく、和やかに学生との関係を保ちつつシステムを回している余力の深さにも感銘を受けました。

 

 東北大は、独創的研究を国是として研究第1主義でこれまでにも成果をあげてきた歴史があると、内部の人間は自負して来ましたが、独創とは、単なる工学的な発明だけでなく、「システム」の開発・発明や、その運営の卓越さにも与えられる言葉なのかもしれないと考えさせられました。

 岐阜大学医学部の独創的日本型チュトーリアルシステムには大変勉強させていただきました。改めて感謝申しあげます。

 最後になりますが、学生さんたちは、約半数は、従来型の授業の方がよいという意見も持っているらしいと聞きました。

 「君らが学んでいるのは、日本一のシステムです。その価値を満喫してください。」

と、学生さんたちに伝言してあげてください。

東北大学加齢医学研究所 山家智之 拝


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