怒りっぽい貴方に・・・

人は何故?攻撃するのか?

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パーソナリティの個性としての攻撃性は、病態生理学的な反応及び行動との関連性において重要な問題である。

ジョセフソンやブッシュマンは、性格的に高い攻撃性を保持する対象者の方が、メディアにおける暴力映像が攻撃的な行動を促進しやすい傾向にあることを実験的に証明している。(1,2)
これは、マルティメディア社会に置ける重要な知見として特筆される。

すなわち
個々の高次脳神経機能を表彰する心理スケーリングで表される性格特性が、
個々人の攻撃的行動を規定しているのである。

フリードマンとローゼンスタインのタイプA行動パターンの研究は、冠動脈疾患の発生と性格分類に大きな貢献をなしたが、近年のメガスタディでは否定的な知見も散見されるようになってきている。最近では、このタイプA行動パターンの下位尺度とも言える怒り、敵意、攻撃性の三つがより冠動脈疾患の相関するという報告も行われるようになった。

怒り(Anger)
敵意(Hostility)
攻撃性(aggressiveness)

の三つは、AHAとしてまとめ表されるが、

苛立ちや劇高と言った情動的側面としての怒り、
悪意や否定的味方、態度といった認知的側面としての敵意=ホスティリティ
人に攻撃を加える行動的側面としての攻撃性。

として、厳密には分類されている(湯川:心理測定尺度2)

そもそも日本のA型行動は「仕事中毒」が多く、会社などへの連帯感や責任感から断わることが苦手で、自己犠牲をして仕事を抱え込むためと言われる。その上、日本人は協調性を保つために「敵意や攻撃性」を表わすことが少なく、その感情を抑制するのが特徴である。しかし、この抑制こそが病態生理学的に危険なのである。

A型行動パターンでは些細なストレスがかかっても、交感神経がすぐ活発化して、血圧や心拍数が上昇したり、冠動脈の内膜を傷つけたりして、動脈硬化を引き起こす。昂進した交感神経は内分泌系の副腎に作用し、コレステロールや中性脂肪を増加させたり、血液の血小板に働き血管のスパスムスや血小板凝集を引き起こすのである。

加齢医学研究所に置ける研究では、タイプA行動パターンにおいて、有意の血中コレステロール濃度の上昇を認めている(3)。これらの症例では薬剤に置ける反応性には有意の差を認めなかったが、性格分類心理スケーリングで規定されるところの高次脳神経機能特性と代謝の関連性を考える上で興味深い結果と思われる。

高次脳神経機能を表す心理スケーリング尺度と、行動パターンや疾患の病態生理学的変化は高齢化社会を迎えますます重要になりつつある。

References

1) Josephson WL. : Television violence and children's aggression: testing the priming, social script, and disinhibition predictions. J Pers Soc Psychol. 1987 Nov;53(5):882-90.

2) Bushman BJ. : Moderating role of trait aggressiveness in the effects of violent media on aggression. J Pers Soc Psychol. 1995 Nov;69(5):950-60.

3) Shizuka K, Yambe T, Fukudo S, Nitta S. : Type A behaviour pattern and hypercholesterolemia in elder patients. Nippon Ronen Igakkai Zasshi. 2000 Jun;37(6):486-9.